院長ご挨拶

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平成27年4月1日より、旧阿部内科医院から院長を引き継ぎ、まきた内科ハートクリニックを開院致しました。

これまで、岩手医大附属病院の心血管・腎・内分泌内科で20年以上に渡り数多くの診療をして参りました。

また、大学病院の准教授として医療チームの統括と若い医師や医学生の指導に当ってきました。

さらに、県立中部病院の定期的な外来応援診療も行って参りました。

今後は、これらの経験を活かし、地域の皆さんの良き健康の相談役になれれば幸いです。


診療の理念

動脈硬化が進行した患者さんを数多く診療してきました。
しかし、ひとたび脳卒中、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症、慢性腎臓病などの重大な心血管病を発症してしまうと、どんなに高度な医療技術を駆使しても治療には限界があります。早期の適切な時期に危険因子(高血圧、糖尿病、脂質異常症や生活習慣)の管理・治療が上手くできていれば健康寿命をもっと延ばすことができます。また、不幸にして重大な疾患を発症してしまった患者さんも、その後のきめ細かな管理が重要です。患者さんが与えられている天命に10年プラスすることを目指して診療をしております。
高血圧や糖尿病、コレステロールの治療法は皆さんに同じで良いわけはありません。
クスリの効き方には個人差があり、クスリの使い方には年齢や状況に応じたコツがあります。ここには、臨床で経験してきた診療技術の他に、私が研究グループの一員として関わらせて頂いた岩手県の住民コホート研究での成果を活かせる部分が多くあります。この住民コホート研究は2万人を超える多くの地域住民の方々の臨床データを集め、その後の病気の発症具合を長年に渡って追跡し、病気に影響する様々な原因を解明しようとするものです。危険因子の治療の目的は今の数値を良くすることではなく、将来の心血管病の発症を抑えることに重きが置かれるべきものです。 動脈硬化を進ませず長生きするためには何をどうすべきかについての研究成果と臨床経験から得た知見を患者さんと共有していきたいと考えています。
クスリはなるべく最小限の量と個数にすることが大切です。
また効果が若干弱かったとしても副作用の少ないものから飲んで頂くのが原則だと考えています。それで効果が足りなければ徐々にクスリの効き目を上げていけば良いのです。もちろん緊急性のある状態では副作用に十分注意しながら効き目を優先したクスリを選びます。また、新薬を患者さんにすぐ使うのは予期せぬ危険を伴うものです。新薬は一般に良いクスリであり安全性も確かめられていますが、使い方が確立されて効果が広く評価され安全が私自身で実感できるまでは患者さんに飲んで頂くのは控えたいというのが本音です。クスリはリスクにもなり得ることを肝に銘じています。もちろん、多くのお薬が必要な患者さんも大勢いらっしゃいます。無理にお薬の数を減らすようなことはありません。